涙のサンタ。

2009年12月24日
私には

実家に

85歳と84歳のじいちゃんばあちゃんがいます。

二人とも歳をとったとはいえ、

頭がしっかりしていて

じいちゃんにいたっては

お父さんより体が丈夫なくらいです。

ばあちゃんは奥ゆかしい感じやけど

なかなか芯のしっかりした、

やんちゃぼうずのじいちゃんを唯一言葉で制することのできる人物です。





歳のせいでふたりは耳が遠くなりました。

ある日、会話をしてもかみあわなかったふたり・・・。

じいちゃんが

「わりゃ、ハトやでよ!」と。

ばあちゃんは、それを聞いて笑いがとまらなくなりました。

「そしゃ、ハト同士やにかよ~」と。

”ハト”っていうのは耳がとおくなった人(じいちゃんばあちゃんみたいな)

のことを言うそうです。

それでもふたりはいっしょにずっと暮らしていました。





ばあちゃんは前々から体の弱い人でした。

今年に入って体調をくずし、

今は入院生活中。





今日、そのばあちゃんにクリスマスプレゼントを持っていきました。

こうちゃんと病室に入っていくと

「まちこがれとったんや~」

とニコニコ。

こうちゃんが

「はい!」

とプレゼントを手渡すとさらにニコニコニコニコ。

ほんっとうにうれしそうでした。





こうちゃんはまだ小さいのでなかなかおりこうして

一箇所にとどまるのは大変なんやけど、

それでもなんやかんやと15分くらい病室におって

ばあちゃんにこうちゃんのこと、実家のこと、

家のこと、いろんな話をしていました。





すると突然、咳きだしたばあちゃん。

たんがからむと、

苦しそうに顔を横に向けてしばらく話も中断になりました。





自分でたんをきる力強さもなくなっていました。






入院して少し経ったあるとき、

ばあちゃんに記憶障害が出始めました。

時間も人物もわからなくなった・・・

そんな中、

じいちゃんと

こうちゃんの記憶

だけはしっかりしていて、

いつもふたりの面会を待っていました。

じいちゃんは長い間連れ添ってきても、

周りのものからすると、

どう考えてもいい夫ではなかった、といわれるようなところもあります。

だからそんなじいちゃんのことでも記憶障害の中で記憶が保持されていて

面会をまっているということに

周囲の人間は一同におどろきました。






どんなことがあったとしても「夫婦でいた」という半世紀以上の日々は

とても大事で

とても大きな存在なのだと

痛感する出来事でした。



涙のサンタ。



・・・「今年はだめかも知れん」なんて言っていたばあちゃんが

もうすぐちゃんと2009年を越せそうです。

心のささえになっていたのは

こうちゃんとじいちゃんやと

私は思うのです。






クリスマスプレゼントは

パジャマにしました。

病床では普段着は着れんけど、

でも「今日はあのパジャマ着よう」なんて思ってもらえれば、と思って

そうしました。

明るくかわいらしい色ガラ、

やさしい肌触り。









たくさん洋服をプレゼントしてもらって持っていても

いつも少ししかおろさず、

上質な感じのすこしの洋服を

上品に着こなしていたばあちゃん。





ひょっとしたら

もう普段着を着ることはなかなか・・・かもしれんけど、

病床でたのしみが増えるような

いろんなものを携えて

できるだけ顔をだして、

あのにこにこをみたいな、と思った

嫁なのでした。








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Posted by 大工のよめ  at 05:00 │Comments(0)せいかつ。
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