しょくにん。

大工のよめ

2011年06月01日 06:18

お店を開いている方が

お店をしまうというシーンに出会うことが

ときどきある。

それは

理由も、取り扱い商品や職種も様々なんやけど

やっぱり

とてもさみしく、

くやしいとさえ思うこともあります。





でもそれが現実で、

どうしようもないことやったりもします。





昨日お話した方は

しめきった店先の戸を少し開け

つゆの合間に見えたやわらかな日差しに目をやりながら

ゆっくりとおだやかに

話をしてくださいました。





体調のこと、家族のこと、仕事のこと・・・





おそらく何十年という年月をこのお店でお客さん相手にすごしてきて、

また、

職人としての腕前も一流で、こだわりもあって、

だけど

後を誰かが継ぐわけでもなし、

年齢を重ねてきて

職人として腕をふるいたくてもふるえない、そんな現実がやってきて

そしていよいよ・・・





穏やかな表情の中にも

やっぱり

「もっと作っていたかった」「もっとお店をやっていたかった」っていう

職人さんの魂を感じずにはいられませんでした。





ときどき手先で所作をしながら話されるんやけど

その手先はまだまだ健在で、

でも「職人」としての自分は引退せざるを得ないというもどかしさ。





ご主人の話をきいていて

なんとも言えん年月を感じ、

そして職人さんの気持ちをかんじ、 

「涙がでてくるさなぁ~」と少し笑ってかくそうとされるご主人の前で

涙が出てしまいました。





でも、

職人さんにもいつかは訪れる、その時。

さみしいけれど

人生の大半をそそいだ(人生そのものなんかもしれんけど)職人の道の

終着点。






そのワンシーンに少し立ち会えた自分は

また大切な経験をさせていただいたと思います。

大切にしたい経験のひとつ、です。







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